「借地権」とは、旧借地法又は借地借家法に基づく借地権(通常は土地賃借権)を、「底地」とは、借地権の付着している宅地の所有権を言います。
借地権の価格(旧借地法の適用される借地権)
旧借地法の適用される借地権は、法律の規定により更新され得ることなどから、通常、一定の資産価値が生じています。
しかし、物的状況が同じでも、借地権の価値はその契約内容等に応じて千差万別です。借地権の価格を左右する要因には、例えば次のようなものがあります。
※慣行的借地権割合
借地権割合とは、借地権価格の更地価格に対する割合を言います。慣行的借地権割合は、古くからの継続的な借地契約に多く認められるものであり、国税庁「路線価図」に目安が示されています。ただし、個別不動産に関する現実の借地権割合は、慣行的借地権割合や路線価割合とは異なることがほとんどです。
借地権の価格は、借地人による借地権売却・相続や、地主による借地権買取り等に際して問題になることが多いと思います。当事務所では、これらの複雑な要因を漏れなく把握して、全ての当事者に理解していただける報告書をご提供いたします。
借地権の価格についてさらにお知りになりたい方は、当事務所の執筆した「はじめての鑑定実務」借地権の鑑定評価(1)(不動産鑑定2009年4月号)をご覧ください。
借地権の価格(定期借地権)
定期借地は平成3年の借地借家法制定により導入された制度で、分譲マンションや郊外の幹線道路沿い店舗、配送センター等への活用例が増えています。
定期借地権は、旧法借地権と異なり契約期間の更新はありません。したがって、通常、その価値は契約期間が経過するにつれて低くなり、契約終了時に0となります。
定期借地権の価格についてさらにお知りになりたい方は、当事務所の執筆した「はじめての鑑定実務」借地権の鑑定評価(2)(不動産鑑定2009年5月号)をご覧ください。
底地の価格
底地の価格は、1.地代から得られる純収益の現在価値、2.将来見込まれる承諾料等の現在価値、3.将来見込まれる復帰価格(土地価格)の現在価値の3要素から成り立ちます。ただし、旧法借地権は原則として更新が認められることから、その底地は収益性(上記1及び2)により形成されることが一般的です。
また、「更地が10で借地権が7なら底地は3」等のように底地価格と借地権価格は表裏一体の関係にありますが、現実には両者を足しても10に満たない場合がほとんどです。なぜなら、借地契約そのものが土地の有効利用を阻害していることがある上、底地の需要者は投資家、借地権の需要者はエンドユーザーであって、それぞれ異なる取引市場で価格が形成されるからです。
ところで、借地権の当事者間取引に際しては、底地価格を把握しておくことが交渉上有用です。
当事務所では、借地権の評価をご依頼いただいた方からのお求めに応じて、底地価格や各種一時金(建替え承諾料、名義変更承諾料等)に関するアドバイスを無償でご提供いたします。